鈴鹿サーキット。轟音を響かせて爆走するレーシング・カーの中に、紅一点の矢代忍の姿があった。アメリカのレースで優勝経験のある忍は、日本でのデビュー戦でも見事優勝する。忍の父、正之は猪俣船舶の船長で東南アジア航路を担当していたのだが、その船から大量の麻薬が発見されたため、逮捕され、獄中で謎の自殺を遂げたのだった。一人娘の忍は、父の無実を信じ、冤罪を晴らすべくTESO(東南アジア特別調査機関)に所属していた。忍は父が入っていた刑務所の元看守で、現在は退職して派手にギャンブル場に出入りしているヘンリー中谷を追っていたが、中谷は、パシフィック興業社長・尾野沢要介、高級ナイトクラブ経営・本屋敷義一の手下に...